ヨーロッパの国旗入門:二色旗

この記事ではヨーロッパの国旗の中で「2色のみ」で構成されている国々について解説しています。配色の意味、デザインの背景、他国との比較などに注目し、シンプルな色使いに込められた想いについて詳しく探っていきましょう。

ヨーロッパで国旗に「2色」を使用している国

ズラッと並んだヨーロッパの国旗を見てみると、カラフルでにぎやかなデザインが多い中で、あれ?と思う国もあります。そう、たった2色だけで勝負してる国旗たちです。フランスやイタリアみたいな3色旗が定番っぽく見える中で、2色だけで個性を出してる国って、実はけっこうおもしろいんですよ。

 

じゃあ、どの国が「2色派」なのか、そしてなんであえて2色なのか。そこにはちゃんと理由があるんです。

 

 

「2色」を使用している国

デザイン 特徴
ポーランド 白と赤の横二色。古くから使われてきた民族色で、国章なしの民間用。
モナコ 赤と白の横二色。グリマルディ家の伝統色を使用。ポーランドと逆配色。
スイス 赤地に白の正方形十字。十字の形が独特で、唯一の正方形国旗。
アルバニア 赤地に黒の双頭の鷲。勇敢さと独立を象徴する民族的意匠。
ウクライナ 青と黄の横二色。青空と小麦畑を象徴するシンプルな配色。
ジョージア 白地に赤い五十字(大十字+4小十字)。キリスト教世界の象徴的デザイン。
イングランド 白地に赤の聖ジョージ十字。イギリス国旗(ユニオンジャック)の一部構成。
スコットランド 青地に白の聖アンドリュー十字(斜め十字)。スコットランドの守護聖人に由来。
北アイルランド(旧旗) 白地に赤の斜め十字(聖パトリック十字)。現在は公式国旗は存在しない。

 

ヨーロッパで2色国旗は色数が少ないとシンプルな分、伝えたいメッセージがぎゅっと詰まってることが多いんです。ヨーロッパの2色旗には、それぞれの国の歴史や信念、こだわりが見えてくるんですよ。

 

ポーランド:白と赤の「静かに熱い」デザイン

ポーランドの国旗は、上が白、下が赤の横二色。めちゃくちゃシンプルだけど、実は中世から続く伝統的な色の組み合わせなんです。
白は純粋さや平和、赤は勇気や自由のために流した血を表していると言われています。地味に見えて、実はかなりエモい。

 

モナコ:インドネシア国旗と酷似

ヨーロッパのモナコ公国も、白と赤の二色旗。上が赤、下が白という配色で、赤は王家の力、白は神への信仰を表してるそうです。
ちなみにモナコの国旗はインドネシアの国旗とめちゃくちゃ似てます。でもモナコのほうが旗の縦横比がちょっとだけ違うのと、成立時期が古いので「こっちが本家だよ!」って主張しています。

 

ウクライナ:青と黄で大地を描く

ウクライナの国旗も2色です。上が青、下が黄。パッと見はシンプルだけど、これは「空」と「小麦畑」を表していて、いわば風景画みたいな国旗
青は平和な空、黄は実りと希望の象徴。農業国としての誇りと、自然の恵みに感謝する気持ちがにじみ出ています。

 

アルバニア:「黒」と「赤」で伝統と威厳を強調

アルバニアの国旗は、赤地に黒い双頭のワシという超インパクト系。色としては赤と黒の2色なんですが、とにかく強そうで威厳がすごい。
この黒いワシはビザンツ帝国由来のシンボルで、赤は独立と勇気を示しています。ほかの2色旗と比べてちょっと異質な雰囲気ですが、それもアルバニアらしさです。

 

少ない色でどれだけ語れるか

2色しか使わないということは、ある意味で「それだけで足りる」っていう自信の表れでもあります。無駄がないぶん、象徴性がぎゅっと詰まっていて、見る人に強く印象を残すんです。

 

シンプルだからこそ伝わる強さ

色が少ないと、パッと見て意味が伝わるのも大きなポイントです。どこかの戦で生き残った旗とか、民衆が掲げた布とか、原点に近い“シンボルの力”を感じますよね。
とくに戦いや革命を経てきた国では、2色という制限の中で、最も大事なメッセージだけを残してきたことが多いです。

 

逆に「多色派」との対比で個性が光る

ヨーロッパには3色旗も4色旗もありますが、2色旗はその中で異彩を放っています。色数の少なさが、かえって個性として際立ってるんです。
「派手さはいらない。これが自分たちの色だ」って感じで、静かに自己主張するタイプの旗が多いのも特徴です。

 

管理人

 

ヨーロッパの国旗って、どれも同じに見えて実はぜんぶ違う。でも、たった2色しか使ってない国旗にこそ、国の“らしさ”がギュッと詰まってるんですね。色が少ない=地味、じゃないんです。