現代ヨーロッパ国旗情報:ロシア編

この記事ではロシア国旗の由来と色に込められた意味について解説しています。白・青・赤の象徴、帝政時代の影響、スラヴ文化との関わりなどに注目し、三色に込められた国家の精神について詳しく探っていきましょう。

ロシア国旗の由来&色の意味|帝国の誇りとスラヴの精神を映す三色

ロシアの国旗

 

国旗の基本情報

採用国 Russia(ロシア)
採用年 1991年(ソ連崩壊後に再採用)
縦横比 2:3
デザイン
  • 白・青・赤の水平三色旗
  • ピョートル大帝の時代(17世紀末)に初めて使用され、1991年に公式復活
色の意味
  • 白:高潔と正義
  • 青:信仰と忠誠
  • 赤:勇気と愛国心
備考

ロシア帝国時代から使用され、汎スラヴ色の原点として他国の国旗にも影響を与えた。
ソビエト時代は鎌と槌の赤旗が使われていたが、1991年のソ連崩壊とともに三色旗が復活した。

白・青・赤の横三色――ロシアの国旗って、シンプルだけど「これぞ国の顔」って感じの重厚感がありますよね。でもこの三色、実はけっこうフレキシブルに使われてきた歴史があるんです。帝政ロシア時代、ソ連時代、そして現代。政治体制が変わるたびに、旗もその意味合いを変えながらロシア人の心とともに揺れてきたんです。この記事では、ロシア国旗の色の意味や由来、変遷の歴史をわかりやすく見ていきましょう!

 

 

ロシアってどんな国?


ロシアは、世界でいちばん大きな面積をもつ国で、ヨーロッパからアジアまでまたがる超大国。首都はモスクワで、公用語はロシア語。政治や文化、軍事、宇宙開発など、いろんな分野で世界に大きな影響力を持ってますよね。

 

そんなロシアですが、昔は帝政ロシア、そのあとソビエト連邦として共産主義国家に変わり、1991年に現在のロシア連邦となったという、かなり波乱万丈な国の歴史を歩んできました。その都度、国旗もその時代を映す鏡のように変わってきたんです。

 

国旗デザインの意味・由来

現在のロシア国旗は、白・青・赤の3色からなる横三色。このデザイン、見覚えのある人も多いと思いますが、実は17世紀から続く“由緒ある三色”なんです。

 

白は高潔さ・誠実さ

は、純粋・潔白・誠実を表しています。ロシア正教の伝統や、国民の精神的な清らかさを象徴しているとも言われています。また、北国ロシアらしく、雪や冬のイメージとも重なっているんですね。

 

青は信仰と忠誠

は、神への信仰・忠誠心・誠実さを示す色。これはロシア正教の聖母マリアの色としても知られていて、宗教的な意味合いが特に強いんです。

 

赤は勇気・愛国心・国のための犠牲

は、国を守る勇気や愛国心、そして犠牲や革命の象徴でもあります。ロシアは何度も戦争や内戦を経験していて、そのたびに多くの血が流されてきました。この赤には、そうした歴史への敬意が込められているんです。

 

ちなみにこの三色は、のちに汎スラヴ色として他のスラヴ系の国々(セルビア、スロバキア、スロベニアなど)にも影響を与えました。

 

似てる国旗

デザイン 特徴
ロシア 白・青・赤の横三色(汎スラヴ色の起源とされるシンプルな構成)
スロバキア 白・青・赤の横三色、左側に山と十字架を描いた国章。ロシアと配色・構成は同じだが、国章の存在により明確に区別される。
スロベニア 白・青・赤の横三色、左上に山・波・星を描いた国章。ロシアと同じ順の三色だが、配置・意味に独自性がある。
セルビア 赤・青・白の横三色、中央やや左に王冠付きの双頭の鷲の国章。ロシアと同じ三色ながら順序と比率が異なり、王政と正教の象徴が加わる。

 

ロシア国旗はスラヴ三色の元祖ともいえる存在なので、周辺のスラヴ系国家とよく似た旗がたくさんあるんです。でもそれぞれに国章や比率の違いがあるので、見分けるときはそこがポイントですね。

 

国旗の変遷にみる国の歴史

ロシアの国旗は、帝政時代から現代まで体制の変化とともに姿を変えてきたんです。ここでは、その変遷をざっくり追ってみましょう。

 

17世紀:ピョートル大帝がオランダ風にデザイン

今の三色旗の起源は、17世紀末、ピョートル1世(ピョートル大帝)オランダの三色旗にヒントを得て作らせたもの。当時は海軍用の商船旗として使われましたが、これがのちに国旗の原型となります。

 

帝政ロシアでは三色旗が公式国旗に

19世紀に入ると、白・青・赤の三色旗が帝政ロシアの国旗として正式採用されます。このころからロシア=この三色というイメージが定着していったんです。

 

ソ連時代は赤地に鎌と槌+星の旗に

1917年、ロシア革命で帝政が崩壊すると、三色旗はブルジョワ的なものとして廃止されます。そして登場したのが、赤地に金の鎌と槌と星の有名なソ連国旗。
これは共産主義・労働者の連帯・革命の精神を強く表したもので、ロシアを含むソ連全体で使われていました。

 

1991年、ソ連崩壊で三色旗が復活!

ソビエト連邦が崩壊し、ロシア連邦として再出発する際に、かつての白・青・赤の三色旗が再び採用されました。これは単なるデザインの選択というより、帝政時代への回帰=ロシア本来のアイデンティティの再確認とも言える大きな出来事だったんです。

 

まとめ:旗が伝えてくれるもの

ロシアの国旗は、時代とともに意味を変えながらも、人々の精神を映してきた旗です。白は誠実、青は信仰、赤は勇気と犠牲――この三色のバランスが、ロシア人のアイデンティティそのもの

 

帝政の誇りも、革命の苦悩も、現代の自由への歩みも、この旗には全部込められている。
だからこそ、今のロシア国旗は「ただのシンプルな三色旗」ではなく、歴史と思想が折り重なった“国の鏡”なんですね!