現代ヨーロッパ国旗情報:リヒテンシュタイン編

この記事ではリヒテンシュタイン国旗の由来と色に込められた意味について解説しています。王冠の象徴、青と赤の背景、市民との絆などに注目し、国旗に表された君主制国家の精神について詳しく探っていきましょう。

リヒテンシュタイン国旗の由来&色の意味|君主の誇りと市民の忠誠

リヒテンシュタインの国旗

 

国旗の基本情報

採用国 Liechtenstein(リヒテンシュタイン)
採用年 1937年(国際大会での重複を受けて王冠を追加)
縦横比 3:5
デザイン
  • 上が青、下が赤の水平二色旗
  • 左上に金色の王冠を配置し、君主制と国家の独立を象徴
色の意味
  • 青:空と国家
  • 赤:国民の団結と暖炉の火
  • 王冠:君主制、国家の尊厳と主権
備考

1936年のベルリン五輪でハイチと国旗が同一だったことから、翌年に王冠を追加。
小国ながらも独立と王政の伝統を誇るシンボル。

青と赤のシンプルなツートンカラー、そして左上にちょこんと輝く金色の王冠――リヒテンシュタインの国旗って、ぱっと見では地味だけど、よーく見るとめちゃくちゃ“王国っぽい”雰囲気、感じませんか? 実はこの旗、見た目以上に王室と国民の絆、そして独立への意思が込められているんです。この記事では、リヒテンシュタイン国旗の色やシンボルの意味、その由来や歴史とのつながりを、わかりやすく解説していきます!

 

 

リヒテンシュタインってどんな国?


リヒテンシュタインは、スイスとオーストリアの間にあるヨーロッパ屈指の小国。アルプスのふもとに広がる、自然が美しい内陸国で、首都はファドゥーツです。

 

面積は東京23区の約1/5、人口は約4万人ほど。でもこの国、実はヨーロッパで今も王子が治める立憲君主国なんですよ。そして、この国旗には「小さくても主権国家だぞ」という誇りと主張がしっかりと表現されています。

 

国旗デザインの意味・由来

リヒテンシュタインの国旗は、上が青、下が赤の横二色で、左上には金色の王冠が描かれています。このシンプルな構成には、王家と国民の共存という、ちょっと感動的な意味が込められているんです。

 

青は空、そして平和と忠誠

は、澄みわたる空を象徴しています。同時に、市民の忠誠・冷静さ・平和といった価値観も込められていて、「国を支える市民の姿勢」がこの色に託されているんです。

 

赤は夕焼け、そして情熱と献身

は、アルプスに沈む夕焼けの色。自然の美しさもあるけど、それ以上に国への情熱や献身、犠牲といった意味も持っています。つまり、青が「冷静な市民」、赤が「情熱ある国民」の姿――この2つが並んでひとつの国なんですね。

 

王冠は君主制と国家の独立の象徴

旗の左上にある金の王冠は、リヒテンシュタイン家の君主制国家としての独立を象徴しています。
この王冠が加えられたのは1937年。それまでは青赤の二色旗だけだったんですが、あることがきっかけで王冠が追加されたんです。

 

というのも、1936年、リヒテンシュタインの国旗がハイチとまったく同じデザインだと発覚したから!

 

それで翌年、「小国でも独立した存在だ」というメッセージを込めて、王冠をつけたんです。まさに“ちょっとした事件”が生んだ国旗の進化ですね。

 

似てる国旗

デザイン 特徴
リヒテンシュタイン 青と赤の横二色、左上に金の王冠(君主制と独立国の誇りを表す)
ハイチ 青と赤の横二色、中央に国家の紋章。リヒテンシュタインと1937年まで全く同じ配色だったため、王冠が追加された経緯がある。
ルクセンブルク 赤・白・青の横三色。リヒテンシュタインとは配色が異なるが、同じヨーロッパの小国でシンプルな構成に共通性がある。
パラグアイ 赤・白・青の横三色、中央に国章。リヒテンシュタインと比べて構成は似ているが、配色の順番と中央のシンボルが異なる。

 

リヒテンシュタイン国旗は、ハイチとの“偶然の一致”事件が有名です。王冠を加えたことで、そこから明確に差別化されました。他の国旗と比べても、「王冠」がある旗はかなりレア。この小さなアイコンが、リヒテンシュタインの個性と誇りなんです。

 

国旗の変遷にみる国の歴史

リヒテンシュタインの国旗は、シンプルながらも王家の歴史と近代国家としての道のりをしっかり反映してきました。ここでは、その変化をざっくり振り返ってみましょう。

 

18世紀:王家の象徴として赤青の配色

リヒテンシュタイン公国が成立したのは1719年。王家の色として青と赤が使われていたのが、国旗のはじまりでした。当時は正式な「国旗」ではなく、王家の行事などで使われていたカラーだったんです。

 

19世紀末〜1936年:二色の旗が公式に

19世紀末、青赤の二色旗が公式な国旗として定着していきます。でもこの時点では、まだ王冠のマークはなし。見た目は完全にハイチと同じだったんです。

 

1937年:王冠の追加で“王国の旗”へ

1936年のベルリン五輪で、ハイチと同じ国旗を掲げていたことが発覚!
この出来事をきっかけに、翌1937年、王冠を追加して現在のデザインが誕生しました。
それ以降、リヒテンシュタインは「王家を大切にする立憲君主国」として、堂々とこの旗を掲げています。

 

まとめ:旗が伝えてくれるもの

リヒテンシュタインの国旗は、王家の格式と市民の誠実さを見事に一枚にまとめたデザインです。青は忠誠、赤は情熱、そして王冠は小国でも立派な主権国家であることの証。

 

色数もモチーフも少ないけれど、そこに込められた国民の思いと誇りはとても深いんです。
この旗は、「小さくても、自分たちらしく生きていく」――そんなリヒテンシュタインらしさを、静かに堂々と伝えているんですね!