ウェールズの国旗
国旗の基本情報 |
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通称 | 赤い竜(Y Ddraig Goch) |
採用国 | Wales(ウェールズ) |
採用年 | 1959年(正式に国旗として認定) |
縦横比 | 3:5 |
デザイン |
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色の意味 |
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備考 |
ユニオンジャックには含まれていないが、ウェールズの文化的独自性を示す象徴として広く使用されている。 |
緑と白の地に、真っ赤なドラゴンがどーんと構えてる――このインパクト抜群の旗、見たことありますよね? そう、これはウェールズの国旗。
ヨーロッパの国旗の中でもかなり個性的なデザインで、「なぜドラゴン?」って気になっちゃう人も多いはず。
実はこの旗、ケルトの神話や中世の戦い、イギリスとの関係なんかがギュッと詰まった、めちゃくちゃ“熱い”旗なんです。今回はそんなウェールズ国旗の由来や色の意味、似てる旗との違い、そしてその背景にある歴史をわかりやすく解説します!
ウェールズは、イギリス(連合王国)の一部を構成する地域で、ブリテン島の西側に位置しています。首都はカーディフで、人口はおよそ300万人ほど。自然が豊かで、山や海、そして古城が点在する風景が印象的です。
言語は英語のほかにウェールズ語も公用語として使われていて、ケルト文化の名残を色濃く残す地域でもあります。そして何より、自分たちは“イングランドとは違う”という強いアイデンティティを持っているのが特徴なんです。
そんなウェールズの歴史や文化が、国旗の中にもぎっしり詰まっているんですよ。
ウェールズの国旗は、赤い竜(レッドドラゴン)が白と緑の地に乗ったインパクト大なデザイン。このドラゴンには、古代から続く神話と現実の歴史が交差しているんです。
この赤い竜、実はウェールズの英雄伝説にも登場する由緒正しきシンボル。中世の『マビノギオン』などの神話文学にも登場し、ブリトン人(古代ケルト系の住民)の守護者として語られてきました。
また、ローマ軍がブリテン島に持ち込んだ軍旗の竜がルーツとも言われていて、かなり古い歴史を持つ存在なんです。
背景の白と緑のツートンは、16世紀にイングランドを支配したテューダー王朝の家系色から来ていると言われています。実はこの王家、ウェールズ出身の家系なんですよ。
つまりこの配色には、「ウェールズがイングランド王家の源流にある」という誇りが込められているんです。
ウェールズの国旗は正式には「Y Ddraig Goch(ア・ドラィグ・ゴッホ)」=赤い竜と呼ばれています。竜のデザインは19世紀に固定化され、1959年に今の形で正式な国旗として認められました。とはいえ、実際にはそれよりずっと前から民族の象徴として使われてきたんですね。
ただし、どの旗もウェールズのように「民族の象徴としてドラゴンが単独で中央に構える」というデザインではありません。そういう意味で、ウェールズの赤い竜は世界的に見てもかなり個性的な存在なんです。
現在のウェールズ国旗が確立されるまでには、長い歴史と民族運動の積み重ねがありました。単なる「地方の旗」ではなく、誇りと抵抗のシンボルだったんです。
赤い竜の起源は、紀元前後のローマ軍が使っていた軍旗のドラコ(draco)にあるとも言われています。この竜が、やがてブリテン島の地に馴染み、ブリトン人の象徴となっていったんです。
中世のウェールズ王たち――特にカドワロンやリウェリンといった人物は、赤い竜を王家の紋章として掲げていました。これは「我らはケルトの民である」というアイデンティティの表明でもありました。
この頃から、竜=ウェールズ人という図式が固まっていきます。
長く“非公式な民族旗”として使われていた赤い竜の旗が、1959年にイギリス政府によって正式な旗として認定されます。
これは単なるデザインの承認ではなく、ウェールズ人の存在を改めて認めるという大きな意味を持った出来事だったんです。
ウェールズの国旗に描かれた赤い竜は、単なる飾りではありません。古代から続くケルト民族の象徴であり、長い歴史の中で受け継がれてきた誇りと抵抗の印です。
白と緑の背景がテューダー家とのつながりを語り、竜が堂々と立つ姿が「我らは今もここにある」と教えてくれる――この旗は、まさにウェールズという民族の心を視覚で伝える存在なんです。
世界にひとつだけの、力強くて誇り高い国旗。それが、ウェールズの赤い竜なんですね!