ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗
国旗の基本情報 |
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採用国 | Bosnia and Herzegovina(ボスニア・ヘルツェゴビナ) |
採用年 | 1998年(国際的調停の下で採用) |
縦横比 | 1:2 |
デザイン |
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色の意味 |
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備考 |
内戦終結後、国内民族間のバランスを保つため、あえて歴史的・宗教的象徴を避けたデザインが採用された。 |
青い地に黄色の三角、そして白い星が斜めに並ぶ――ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗って、ヨーロッパの中でもかなり個性的なデザインですよね。でもこれ、奇抜に見えても、じつは国のかたちや民族の多様性、そして「平和に共に生きたい」という想いが詰め込まれてるんです。この記事では、この国旗の色や形の意味、似てる旗との違い、そして1990年代の激動の歴史の中でどう生まれてきたのかを、やさしくひもといていきます!
ボスニア・ヘルツェゴビナ(略して「ボスニア」と呼ばれることも多い)は、バルカン半島の内陸に位置する国で、かつてのユーゴスラビアから分離独立した国のひとつです。
この国、じつは3つの主要民族(ボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人)が共存している多民族国家。宗教もイスラム教、正教、カトリックと混在していて、歴史的に対立も多かったんです。でもだからこそ、国旗には「違っていても一緒にやっていこう」という希望と願いが込められているんですよ。
現在のボスニア・ヘルツェゴビナ国旗は、1998年に採用された比較的新しい旗。青い地に黄色の三角形と白い星という独特の構成には、それぞれ意味があるんです。
まず目に入る黄色の三角形。これはボスニア・ヘルツェゴビナの地図の形に似せているとも言われているし、また主要民族3つを象徴する三角という意味もあります。
三角の頂点が「ボシュニャク」「クロアト」「セルビア人」を表し、対等でバランスの取れた関係を目指す構図なんですね。
青い背景は、ヨーロッパ連合(EU)の旗を意識した色とも言われていて、「ヨーロッパの一員として歩みたい」という国際社会との協調の姿勢を表しています。
また、青は平和・信頼・安定といったイメージを持つ色でもあるので、戦後の再建の象徴としてもぴったりなんです。
旗の斜めに並ぶ白い星は、無限の平等や国民の一体感を示しています。星が上下に半分切れているように見えるのもポイントで、これは「星が端で終わらない=平等が無限に続く」というメッセージがあるんですよ。
どの民族にも属しすぎず、どの宗教にも偏らない。中立的で平和的な象徴なんです。
ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗は、見た目がちょっと変わってるぶんあまり似た旗がないのが特徴です。星のモチーフや青い背景があるからEUっぽく見えることはあるけど、三角の存在がこの国の個性なんですね。
ボスニアの国旗は、国の成立と戦争、そして平和の構築という激しい時代の中で生まれた旗です。だからその変遷を見ると、国の歩みがそのまま見えてくるんですよ。
かつてはユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部だったため、青・白・赤の三色に赤い星という共通の国旗を使っていました。これは社会主義とスラブの統一を象徴していたんです。
独立後すぐに採用されたのは、白地に青と金の伝統的な紋章を中央に配した旗。これは中世のボスニア王国を象徴するものだったけど、セルビア系・クロアチア系の人々には馴染みが薄かったため、対立の火種になってしまったんです。
紛争後の平和構築の一環として、中立的で誰にも偏らないデザインが国際社会(特に国連や高等代表)主導で検討され、1998年に現在のデザインに変更されました。
これは、「どの民族にも属さず、でも国民すべてを包み込む」――そんな新しい国のかたちを表す旗なんです。
ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗は、民族のバランス・ヨーロッパとのつながり・未来への希望を一枚に込めた、まさに“共存の旗”。三角は多様な人々、青は平和と国際性、星は平等と希望――見た目の個性には、ちゃんと理由があるんです。
戦争を乗り越えて、違う背景の人たちが一緒に生きることを選んだ国。
この旗は、その小さくて大きな勇気をずっと伝え続けているんですね!