ルーマニアの国旗
国旗の基本情報 |
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採用国 | Romania(ルーマニア) |
採用年 | 1989年(共産主義政権崩壊後に再確認) |
縦横比 | 2:3 |
デザイン |
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色の意味 |
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備考 |
モルドバの国旗と類似しているが、ルーマニアの旗には国章は含まれない。 |
青・黄・赤の縦三色――ルーマニアの国旗は、一見シンプルだけど、実はこの3色に、ルーマニア人たちの「団結」や「誇り」がぎゅっと込められているんです。色の組み合わせは汎スラヴっぽくも見えるけど、由来はちょっと違っていて、ルーマニアならではの地域ごとの伝統や歴史としっかりつながってるんですよ。この記事では、ルーマニア国旗の色や意味、その背景にある歴史や変遷を、わかりやすくひもといていきます!
ルーマニアは、東ヨーロッパに位置するバルカン半島の北側の国。黒海に面していて、ウクライナやブルガリア、ハンガリーなどに囲まれています。
首都はブカレスト。言語や民族的にはラテン系で、同じ地域のスラヴ系諸国とはちょっと違った文化を持っているのも特徴ですね。
歴史的にはモルダヴィア・ワラキア・トランシルヴァニアという3つの主要地域から成り立っていて、この国旗はそれらがひとつの国家としてまとまった証でもあるんです。
ルーマニアの国旗は、青・黄・赤の縦三色。この配色は19世紀に確立されたもので、それぞれの色に特定の地域や価値観が重ねられています。
青は、自由と希望を象徴しています。空のように広がる自由な未来、そして人々の解放への願いが込められています。また、歴史的にはモルダヴィア公国で使われていた色でもあるんですよ。
黄は、正義・信頼・実りある大地を表しています。中央部ワラキア地方のシンボルカラーでもあり、小麦畑や草原の広がる風景と重ねられることも。つまり豊かさと誠実さの色なんですね。
赤は、祖国のために流された血、勇気、愛国心の象徴です。戦争や革命、独立のために戦った人々の誇りが、この赤に宿っています。そしてトランシルヴァニア地方の伝統色でもあるんです。
この3色が並んでいることで、ルーマニアは3つの地域がひとつになった国であることを、旗で表しているんですね。
ルーマニア国旗は、チャド共和国とまったく同じ配色・デザインなので、国際的にもよく混同されます。ただし、ルーマニアの青はちょっと淡くて、チャドの青はやや濃いめ。でも正直、見分けるのはかなり難しいです。
モルドバも同じ色の並びだけど、中央に国章が入っているので、そこが明確な違いですね。
ルーマニアの国旗は、実はフランス革命の影響も受けつつ、19世紀のナショナリズムの中で整えられていきました。ここでは、国旗がどんな道をたどってきたのかを振り返ってみましょう。
ルーマニアの三色旗は、1848年の革命運動のときに初めて民族の象徴として掲げられました。当時のスローガンは「正義と兄弟愛」。
フランスのトリコロール(青白赤)からヒントを得つつ、ルーマニア独自の色順・意味で整理されたんです。
ルーマニア王国として独立・統一が進んだ時代には、この三色旗が正式な国旗として採用されます。この時代の旗には、中央に王家の紋章が加えられていたこともありました。
1947年の共産政権成立後は、同じ三色旗の中央に社会主義的な国章(歯車や稲など)が加えられました。
でもこの時代、国旗は「国家」よりも「政権の道具」として使われていた面も強かったんです。
チャウシェスク政権崩壊のきっかけとなった1989年の革命では、中央の社会主義国章を切り抜いた三色旗が市民たちによって掲げられました。
この“穴あきの国旗”は、今でも自由と民主主義の象徴として語り継がれています。
1990年、正式に国章のない三色旗がルーマニア共和国の国旗として採用され、現在に至ります。
ルーマニアの国旗は、地域の統一・自由への渇望・独立の誇りをぎゅっと詰め込んだ三色のメッセージ。
青は自由、黄は正義と豊かさ、赤は犠牲と勇気。それぞれの色が、ルーマニアという国がどうやってバラバラな地域をひとつにまとめ、苦難を乗り越えてきたかを静かに語っています。
「色だけで語れる物語」がある――
そんな旗こそ、本当にその国の心そのものなんですね!