現代ヨーロッパ国旗情報:マルタ編

この記事ではマルタ国旗の由来や色の意味について解説しています。白と赤の配色に込められた歴史的背景、ジョージ十字勲章の勇敢さの象徴、第二次世界大戦の記憶などに注目し、国旗に宿る国家の誇りと忠誠心について詳しく探っていきましょう。

マルタ国旗の由来&色の意味|勇気と忠誠を誇る“十字の勲章”

マルタの国旗

 

国旗の基本情報

採用国 Malta(マルタ)
採用年 1964年(イギリスからの独立時に採用)
縦横比 2:3
デザイン
  • 左が白、右が赤の縦二分割
  • 左上(白地)に「ジョージ十字勲章」が描かれている
色の意味
  • 白と赤:11世紀ノルマン騎士団の伝統に由来
  • ジョージ十字:第二次世界大戦中のマルタ国民の勇敢さに対してイギリス国王から授与された勲章
備考

ジョージ十字は正式な国章の一部であり、戦時中の苦難と誇りを象徴。
小国ながらも強い国家意識と歴史的背景をもつデザインとなっている。

白と赤の二色で構成された、シンプルなデザインのマルタの国旗。でも、左上にちょこんと入ってるグレーの十字の模様、気になりますよね? あれ、じつはマルタが第二次世界大戦で受けたとある特別な勲章を、そのまま旗に入れたものなんです。小さな島国マルタの、大きな誇りゆずれない価値観がつまった旗――この記事では、その色とマークに込められた意味、国の歴史との関わりを、わかりやすく解説していきます!

 

 

マルタってどんな国?


マルタは、地中海のほぼ真ん中に浮かぶ小さな島国で、イタリアのシチリア島のすぐ南にあります。国土はちっちゃいけど、歴史はびっくりするほど深くて、古代からフェニキア人、ローマ人、アラブ人、十字軍、ナポレオン、イギリスと、いろんな文明に支配されてきたんです。

 

そのたびに文化も宗教もミックスされて、でもマルタ人としてのアイデンティティはしっかり育まれてきました。そんな中でできた国旗だからこそ、小さくても強い意味を持ってるんですね。

 

国旗デザインの意味・由来

マルタの国旗は、左が白、右が赤の縦二色で、左上にグレーの十字勲章が入っているのが特徴。この色とシンボル、両方にストーリーがあります。

 

白は純潔と平和の象徴

は、平和・純粋さ・信仰の清らかさを表す色。マルタはカトリックの国で、宗教的な価値観が国民の生活に深く根づいています。だからこの白は、マルタ人の誠実さや穏やかさの象徴でもあるんですね。

 

赤は勇気と献身の象徴

は、戦いや犠牲・勇気を意味する色。地理的にヨーロッパと中東の交差点にあるマルタは、昔から戦争や争いに巻き込まれてきた歴史があります。でもその中でも守り抜いてきた誇りを、この赤が語っているんです。

 

左上の「ジョージ十字勲章」が誇りのしるし

マルタの国旗でいちばん目を引くのが、左上のグレーの十字。これは、イギリス国王ジョージ6世が第二次世界大戦中のマルタの民間人の勇敢さに対して授けた「ジョージ十字勲章(George Cross)」を、そのまま旗に入れたものなんです。

 

1940年代、マルタはナチスとイタリアから連日空爆を受けながらも屈せず、国全体で耐え抜きました。その団結と不屈の精神を称えて、国ごと勲章を授かったのは、実は世界でマルタだけ。これを国旗に載せるって、どれだけ誇りに思ってるかが伝わってきますよね。

 

似てる国旗

デザイン 特徴
マルタ 白と赤の縦二色、左上に聖ジョージ十字の飾章(第二次大戦の勇敢さを象徴)
インドネシア 赤白の横二色。マルタと同じ配色だが、縦ではなく横方向の構成で、シンボルもなし。
ポーランド 白赤の横二色。マルタと配色が似ているが、上下の色順と方向が逆で、中央の紋章もない。
ペルー 赤白赤の縦三色、中央に国章入り。マルタと配色や縦構成は共通するが、中央の装飾が大きく異なる。

 

マルタの国旗は、白と赤というシンプルな配色だからこそ、他の国と似てる部分もあります。でも左上の十字マークが入っているのはマルタだけなので、そこを見れば見分けがつきやすいですね。

 

また、左右で分かれた縦二色という構成自体も珍しく、国の個性がしっかり出ていると言えます。

 

国旗の変遷にみる国の歴史

マルタの国旗は、1950年代に正式に制定されたものですが、それまでにもさまざまな時代の支配者の旗のもとで暮らしてきました。その変遷を見ると、マルタがどんなに多くの文化と関わってきたかがよく分かるんです。

 

中世はマルタ騎士団の十字がシンボル

16世紀から18世紀にかけてマルタを治めていたのが聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)。この時代の象徴は、白地に赤いマルタ十字で、今でも観光地ではよく目にします。

 

イギリス植民地時代は英国旗を使用

19世紀初めから第二次世界大戦後まで、マルタはイギリスの植民地でした。この時代はユニオンジャックを左上に配したブルーエンサインが使われていました。

 

1959年に現在の国旗が誕生

イギリスからの独立が目前となった1959年、白と赤+ジョージ十字の現在の国旗が制定されました。そして1964年、マルタ共和国として完全独立を果たしたときから、正式な国旗として使われ続けています。

 

まとめ:旗が伝えてくれるもの

マルタの国旗は、小さな国でも誇りを持って生きる強さを教えてくれるデザインです。白は信仰と平和、赤は勇気と覚悟、そして左上の十字は国民全体が受け取った“名誉の勲章”――まさにマルタの魂そのもの。

 

地中海の小さな島からでも、「私たちはここにいる」と世界に伝えてきたその旗。
控えめだけど堂々としている――それがマルタの国旗の魅力なんですね!