イタリアの国旗
国旗の基本情報 |
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通称 | イタリア三色旗(トリコローレ) |
採用国 | Italy(イタリア) |
採用年 | 1946年(王政廃止後に共和制の国旗として制定) |
縦横比 | 2:3 |
デザイン |
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色の意味 |
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備考 |
1797年に最初に登場し、統一運動や共和国思想と深く結びついている。 |
緑・白・赤の縦三色で構成されたイタリア国旗。シンプルでスタイリッシュなデザインですが、実はこの三色には、国をひとつにまとめようとした革命の情熱や、イタリア人の祖国への誇りがしっかりと込められているんです。この記事では、イタリア国旗の色の由来や、それぞれの意味、周辺国とのデザインの違い、そして歴史とともにどのように変化してきたのかをわかりやすく解説していきます。
イタリアは、南ヨーロッパに位置する半島の国で、ブーツの形をした国としてもおなじみですよね。首都はローマで、古代ローマ帝国の中心地だったことから、歴史的な遺産がとても豊富です。芸術や建築、音楽、食文化など、世界中に影響を与えてきた国でもあります。
でも、実は今のイタリアの形になるまでは長い統一の歴史があったんです。19世紀までは各地に小さな王国や都市国家が点在していて、それらを統一しようという運動=リソルジメントが起こったことで、ひとつの国家へとまとまっていきました。
その動きの中で誕生したのが、今のトリコローレ(三色旗)なんです。
イタリアの国旗は、左から緑・白・赤の縦じま。実はこの配色、最初から「イタリアらしさ」を目指して作られたわけではなく、革命運動や軍服の色から生まれた背景があるんです。
緑色は、もともとミラノの市民軍の軍服の色から来ていると言われています。それがやがて自然の豊かさや自由への願いを象徴するようになり、今では「祖国の緑の大地」として愛されているんです。
また、革命運動の象徴として未来への希望という意味でも使われています。
中央の白は、イタリア北部にそびえるアルプス山脈の雪を象徴していると言われています。ただ、それと同時に平和や信仰の純粋さを表す色としても解釈されていて、イタリア人にとって精神的な支柱のような存在です。
緑と赤の間にあって、それらを中和・調和する役割も担っています。
赤は、イタリア統一のために戦った人々の情熱、そしてその過程で流された血を象徴する色です。特に19世紀のリソルジメント時代には、愛国者たちの闘いが激しく、この赤には犠牲と覚悟の意味がしっかりと込められています。
イタリアの国旗が持つ一番熱い感情が、この赤に集約されているとも言えます。
イタリアの三色旗に似ている国旗として、特によく話題に上がるのがメキシコとアイルランドです。ただし、どちらも配色や構成に違いがあるので、見分けるポイントを押さえておきたいところです。見た目は似ていますが、メキシコの旗には中央に鷲とサボテンの国章が入っていて明確に区別できます。
アイルランドとの違いは、赤とオレンジの色味なので、光の加減では間違えやすいですが、意味も歴史背景もまったく異なるので要注意です。
イタリアの国旗は、フランス革命に影響を受けて誕生した比較的“新しい”国旗ですが、その中には統一国家としての誕生と変遷が刻まれています。
イタリアの三色旗が初めて登場したのは、1797年。ナポレオン・ボナパルトの遠征中に、彼を支持するイタリアの人々がフランスの三色旗に倣って緑・白・赤の旗を採用したのが始まりです。
このときは、チザルピーナ共和国という短命な国家で使われていました。
その後、19世紀半ばのリソルジメント(統一運動)で三色旗は祖国統一のシンボルとして広がっていきます。ガリバルディなどの英雄たちがこの旗を掲げて戦い、国民にとって「イタリアらしさ」の象徴となっていったんですね。
1861年にイタリア王国が成立したあとも、三色旗は続けて使われました。1920〜40年代のファシスト政権時代には王冠やファシズムの象徴が加えられたバージョンもありましたが、基本の三色配色は維持されています。
そして1946年、王政が廃止されイタリア共和国が誕生。現在の形の国旗が正式に国のシンボルとして定着しました。
イタリアの国旗は、ただオシャレなデザインというだけじゃなく、革命・統一・信念・誇りといった国民の歴史と心がしっかり詰まっています。
緑は自然と自由、白は信仰と調和、赤は犠牲と情熱。これらの色が重なり合って、イタリアという国家の歩みと理想を静かに、でも力強く語っているんですね。
この旗を見ると、イタリア人の美しさと強さのバランス感覚が感じられます。国旗って、ほんとに奥が深いものなんです!