ソビエト連邦の国旗
国旗の基本情報 |
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採用国 | Union of Soviet Socialist Republics(ソビエト社会主義共和国連邦) |
採用年 | 1923年(公式制定) |
縦横比 | 1:2 |
デザイン |
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色の意味 |
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備考 |
世界的に最も広く認識された共産主義国家の旗。 |
真っ赤な旗に金色の鎌と槌、そして星――このインパクト抜群のデザイン、忘れようにも忘れられないですよね。 これは言わずと知れたソビエト連邦(ソ連)の国旗。20世紀の大国であり、資本主義と対峙した社会主義国家の象徴として、世界中にその姿を見せつけました。
でも、あの赤と金の色にどんな意味が込められていたのか、どうしてあのシンボルが選ばれたのか――ちょっと気になりませんか?
この記事では、ソ連の国旗に使われた色とマークの意味、その誕生の背景、そして歴史の中での役割を、やさしくひもといていきます!
衛星国も含めたソ連の版図
ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)は、1922年に成立した共産主義の連邦国家で、ロシアを中心に複数の共和国が集まってできた巨大国家。
革命で帝政ロシアを倒し、労働者と農民が支配する社会を目指す国家として出発しました。
資本主義のアメリカとは真っ向から対立し、「冷戦」の主役として世界を二分する存在に。 だからこそ、国旗にも思想やメッセージがビシッと込められていたんです。
正式な国旗は赤い地に金色の鎌と槌、上に五芒星というシンプルだけど強烈な構成。 このデザインは1923年に定められ、ソ連が崩壊する1991年まで、ずっと使われました。
じゃあ、それぞれのパーツにどんな意味があるのか、ひとつずつ見てみましょう!
赤は、革命の色。そして労働者たちが流した血の象徴でもあります。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、赤はすでに社会主義運動や労働者階級のシンボルカラーになっていて、ロシア革命でも赤旗が掲げられました。
だから、赤い地はソ連にとって「革命の正当性」や「団結の証」だったんですね。
中央に大きく描かれている金の鎌と槌(ハンマー&シックル)は、ソ連国旗の顔ともいえるシンボル。
この2つを交差させて描くことで、「都市と農村の労働者が手を取り合って革命を成し遂げる」という理想が示されていたんです。
鎌と槌の上にちょこんと描かれた赤い星(五芒星)には、いくつかの意味があります:
つまり、この星は共産主義の普遍性や世界革命への願望を表すマークだったんですね。
ちなみにこの星の色は本来赤ですが、国旗上では金の縁取りがされていて、全体の調和をとっていました。
デザイン | 特徴 | |
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ソビエト連邦 | ![]() |
赤地に金色の鎌と槌、上に金星。共産主義と労働者・農民の団結を象徴し、後の多くの社会主義国旗の原型となった。 |
中国 | ![]() |
赤地に大きな金星と4つの小星。ソ連の影響を受けた構成で、共産党(大星)と人民(小星)の団結を表す。 |
ベトナム | ![]() |
赤地に中央の金星。ソ連や中国と同様に赤は革命・血を、星は労働・農民・軍人・青年・知識人の五つの階層を意味する。 |
ソ連の国旗は、世界中の共産主義・社会主義国に大きな影響を与えました。似たデザインやシンボルを持つ国旗もたくさんあります。
特に鎌と槌のモチーフは、ソ連が他国の共産革命を支援していた証として、アジア・中南米・アフリカでも使われることがありました。
1917年のロシア革命までは、黒・金・白の帝政ロシアの三色旗が使われていましたが、革命とともに赤一色の旗に。
その後1923年に現在知られている鎌・槌・星のデザインが正式採用され、国家の「顔」として定着しました。
アメリカとの冷戦が激化する中で、ソ連国旗は「資本主義と闘う側の旗」として、プロパガンダやスポーツの場、宇宙開発競争などでも国家イメージの象徴となりました。
1991年12月、ソ連は正式に解体され、国旗もその使命を終えます。
そして各共和国(特にロシア連邦)は、それぞれの伝統や新体制を反映した新しい国旗を採用していきました。
ソ連の国旗は、ただのデザインじゃありませんでした。そこには、労働者の力への信仰、平等な社会を目指す理想、そして世界に共産主義を広げようとする情熱が込められていたんです。
赤い地は革命、鎌と槌は階級の団結、星は未来への導き。
一枚の旗に、ソ連という巨大な実験国家の魂が凝縮されていたんですね!