現代ヨーロッパ国旗情報:ノルウェー編

この記事ではノルウェー国旗の由来や色の意味について解説しています。北欧十字に込められたキリスト教の伝統、赤・白・青の自由主義的象徴、スカンディナヴィア諸国とのつながりなどに注目し、国旗に表された国家の理念について詳しく探っていきましょう。

ノルウェー国旗の由来&色の意味|北欧の自由と信仰を映す十字の誓い

ノルウェーの国旗

 

国旗の基本情報

採用国 Norway(ノルウェー)
採用年 1821年(現行デザインが制定)
縦横比 8:11
デザイン
  • 赤地に白縁の青いスカンジナビア・クロスを配したデザイン
  • デンマークとスウェーデンの影響を受けた、北欧共通の意匠
色の意味
  • 赤・白・青:自由と独立、フランス革命の理念(自由・平等・博愛)を象徴
備考

スカンジナビア・クロスはキリスト教の象徴であり、ノルウェーの歴史的・宗教的背景を反映。
隣国デンマークとスウェーデンとの連合時代を経て、独自の国旗として制定された。

赤地に青と白の十字――ノルウェーの国旗は、一見するとシンプルだけど、どこか凛とした存在感がありますよね。でも実はこの旗、ただ北欧っぽいデザインってだけじゃなくて、自由・独立・信仰という国の根っこにある価値観が、色と形にしっかり刻まれているんです。この記事では、ノルウェー国旗のデザインや色の意味、似ている国旗との違い、そして国の歴史との関わりをやさしく解説していきます!

 

 

ノルウェーってどんな国?


ノルウェーは、スカンジナビア半島の西側に位置する北欧の国。フィヨルドで有名な大自然と、オーロラが見られる北極圏の一部を持つ、とにかくダイナミックな自然に囲まれた国なんです。

 

でも自然だけじゃなくて、実はノルウェーって自由と独立をすごく大事にしてきた国でもあるんですよ。かつてはデンマークやスウェーデンの支配下に置かれていた時代も長くて、そこから独立した歴史が、今の国旗にもちゃんと反映されてるんです。

 

国旗デザインの意味・由来

ノルウェーの国旗は、赤地に白縁の青十字が描かれたデザイン。北欧諸国に共通する“スカンジナビア十字”の形式だけど、その中でもノルウェーの旗は特に「自由の象徴」としての意味が強いんです。

 

スカンジナビア十字は信仰のしるし

まずこの左寄りの十字。これは「スカンジナビア十字」と呼ばれるもので、キリスト教への信仰を表しています。十字が中央ではなくて左寄りなのは、「光が東から差し込む」っていうキリスト教的な意味があるんですね。

 

この十字は、デンマーク国旗を元にして、スウェーデン・フィンランド・アイスランドにも共通して使われているデザインなんです。

 

赤・白・青は自由と民主主義の色

ノルウェー国旗の配色は、以下のような意味が込められています。

 

  • 赤:勇気・情熱・独立への闘い
  • 白:平和・純粋さ・雪(自然の象徴でもある)
  • 青:自由・正義・北大西洋と海の恵み

 

この3色はフランス革命の「自由・平等・博愛」を象徴する三色旗にも通じていて、ノルウェーでも独立国家としての意思と希望を込めて使われるようになったんです。

 

似てる国旗

デザイン 特徴
ノルウェー 赤地に青と白の北欧十字。デンマーク統治下で生まれ、スウェーデンとの連合時代の青を加えたことで、両国の影響を融合したデザイン。
デンマーク 赤地に白の北欧十字。ノルウェーの旧宗主国であり、ノルウェーの旗の原型となる「ダンネブロ」を由来に持つ世界最古の現役国旗。
アイスランド 青地に白縁の赤十字。ノルウェー旗の構成を反転させた派生デザインで、火山(赤)、氷(白)、海(青)を象徴する自然主義が特徴。
フィンランド 白地に青の北欧十字。ノルウェー旗と異なり、スウェーデンからの独立後に採用され、雪と湖の国をイメージした清楚な構成。
スウェーデン 青地に黄色の北欧十字。ノルウェーと連合を組んでいた歴史があり、王家の色である黄と自然を象徴する青を採用して独自性を出している。

 

ノルウェーの国旗は、いわば北欧十字旗シリーズの中で「自由色」バージョン。配色はフランスやアメリカにも通じる民主主義のカラーなんですね。
同じ十字旗でも、それぞれの国で色と意味の組み合わせがまったく違うのが面白いところです。

 

国旗の変遷にみる国の歴史

ノルウェーの国旗は、独立や連合といった国の大きな転換点とともに姿を変えてきました。今の国旗は、そんな歴史の中で「自分たちだけの旗」として選び取られたものなんです。

 

デンマーク支配下では「ダネブロ」

長いあいだ、ノルウェーはデンマークの一部として扱われていて、赤地に白十字のデンマーク国旗(ダネブロ)を使っていました。この時代、ノルウェー独自の旗は存在しなかったんです。

 

スウェーデンとの連合時代には複合旗

1814年から1905年までは、スウェーデンとの間で同君連合を結んでいた時期。その時代の国旗は、ノルウェーの旗+スウェーデンのマークを組み合わせた複雑なデザインでした。でも、それはあくまで「一部」の証であって、独立した旗ではなかったんですよね。

 

1899年、今の旗が誕生して1905年に正式採用

1899年に、現在の赤地に青白十字の旗が登場し、1905年にスウェーデンから完全に独立したとき、これが正式な国旗として採用されました。
この旗には、「もう誰の属国でもない、自分たちの国を自分たちで作っていく」という強い決意が込められているんです。

 

まとめ:旗が伝えてくれるもの

ノルウェーの国旗は、信仰と自由と独立の象徴です。スカンジナビア十字はキリスト教の信仰を、赤・白・青の配色は民主主義と自然、そして歴史の中で勝ち取った「自分たちの旗」であることを意味しています。

 

見た目はシンプルだけど、その裏にある物語はかなりドラマチック
この旗は、「国って、自由って、こうして守ってきたんだよ」っていう、ノルウェーからのメッセージなんですね。